私たちの住むムンバイ



クリシュナ聖誕祭
Gokulashtami

人間ピラミッドで高いところに釣り提げられたヨーグルトの素焼きポットを割る

だんだん、ピラミッドが高くなる…。ハラ、ハラ、ドキドキ…。

2002年8月31日は、ヒンズー歴でクリシュナ生誕を祝うお祭りGokulashtamiです。
クリシュナはヴィシュヌ神の化身の神様で、ハンサムな茶目っ気たっぷりの神様です。
幼年期のエピソードに、牛飼いの村で育ったクリシュナが、お母さんの留守中に、高いところに隠しておいたバターをこっそり盗んで食べてしまうというお話しがあります。悪魔退治をするかと思えば、いたずらが過ぎて叱られる事もしばしば。でも、そのかわいらしい仕業が、かえって人気の秘密なのでしょう。
このエピソードが、ボンベイを中心としたマハラーシュートラ州では、高いところに吊り提げられたヨーグルトのポットを誕生日の翌日、クリシュナの為に奪回して捧げる祭りになりました。

昨夜は、ヴィシュヌ信仰の篤い住人のフラットで盛大なプジャー(祈祷)が遅くまで行われ、今朝、ヨーグルトの素焼きのポットが、高いフラットの窓から隣のフラットへのロープに吊り提げられました。

昔は、近くに住んでいた若い衆がピラミッドをつくって割ったそうですが、ボンベイの街が高層化するにしたがって、ヨーグルトはどんどん高くなり、今ではおみこし担ぎならぬ、「ヨーグルトポット割り人間ピラミッド軍団」がトラックで次々と乗りつけ、高いところのポットを割る祭が繰り広げられます。
この「ピラミッド軍団」は揃いのTシャツを着て、チームを作ってトラックに満載されてやってきます。お菓子や、ご祝儀を用意して待っていたフラットの人たちは、成功したチームにご祝儀とお菓子を振舞います。

フラットの住人は、すぐに割れないように、ビニールに入った水袋をぶつけたり、色粉をかけてピラミッドを妨害して、祭りのムードを盛りあげます。

これから、ポット割りに出かけるチーム。
まだユニフォームが汚れていない。
  後ろのバイクはヨーグルトポット偵察隊


さぁ、私も、賑やかなお囃子(笛や太鼓の楽隊も一緒にきます)を聞いて、じっとしていられなくて、ネピアンシーロードに飛び出しました。二人乗りのバイクは、割られていないポットがどこにあるのか先行して探す偵察隊です。
「次ぎはどこで割るの?」と聞いたら、「マダム、ついてくるかい?」と聞かれて、デジカメ持て追っかけました。

私の住んでいるタニーハイツ(写真後方の高層ビル)のすぐ下に、朝から6チームが挑戦して割れない難関のポットがありました。偵察隊のお兄さんが言うには、「うーん、8段かな?7段じゃ、ちょっととどかないな…。」かなり難しそうです。

先に着いたオレンジ軍団は2度の挑戦(上写真)にもかかわらず、あと50センチのところで退却しました。
広場のスペースが狭くて、基礎になる1段目にあまり大きな人員構成が組めないから、かなり難しいとのことです。
ちょうどその時、激しい雨が降ってしばしホワイト軍団は木陰でこのときとばかりに作戦会議。

雨が小ぶりになったの見計らって、一気に組みあがって行きます。
「やったー」大声援とともに、トップの人がポットをがっちり掴みました。そして、手に持ていた石でポットをいきよいよく叩き割りました。中からは、ピンクに色染めされたヨーグルトが飛び散ります。またまた、大声援の嵐。私まで染まって一緒に踊りましたね。「やったぁ、やったぁ!」

ピラミッドは、再びとり崩されていきますが、これまた、とてもすばやく順序だっていて、何事もスローなインド人とは思えない仕業です。(まるで、チアリーダーのようにキビキビした動きです)
フラットの住民からご祝儀とお菓子をもらって、トラックに乗りこみ、次ぎのポットを目指して、あっという間に立ち去りました。

←白チームが
ついにポットを
割る事に成功!







(後方左が
  私たちが
 住むフラット。)
→クリシュナを
 祭る祭壇


この祭りをスタートに、ボンベイでは次々とお祭りが繰り広げられます。何しろヒンズー教は多神教。たくさんの神様のお祭りがあるのです。夜がふけた今も、まだ、あちこちからお囃子の太鼓が鳴り続いています。                        (2002年8月31日 記)

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